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針灸師インタビュー

2018.03.30 ライター神出優子

 

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多彩な選択肢のなかから
最良の治療法の実現を目指して―

Q.先生が針灸師を目指されたいきさつやきっかけは何でしたか?

父が針灸治療院を、母は漢方専門薬局を営むという家庭で育ちました。幼い頃から生活の中に東洋医学があり、だからこそ東洋医学が特殊な環境だったという認識は全くありませんでしたね。自分の中で至極当然だったがゆえに新たな興味が湧くこともなく、自分がこの道に進むとは考えもしなかったほどです。全く違うIT業界で10年ほどWEBデザインをしてましたから(笑)

「人間そのもの」に対する興味関心

話は学生時代にさかのぼります。沖縄出身で英語に触れる機会が多かった私は、純粋に人と人とを繋ぐ言語の違いに興味を持ち、高校時代はアメリカに留学しました。そこで心理学を学ぶ機会がありました。当時の私にとって心理学はとても面白く感じられ心を掴まれてしまいました。大学進学を迎えた時、しっかりと心理学を学びたいと思い、そのままアメリカの大学へ進学を決めました。

今でこそ臨床心理士やスクールカウンセラーなどの職業が知られるようになりましたが、当時の日本ではまだしっかりと制度としても確立されておらず、心理学を学問として学ぶ内容もアメリカとでは随分と異なっていたように思います。より医学的・医療的に学びたいと考えていた私にとってアメリカの大学はとても魅力的だったのです。学ぶ中で次第に「人間そのもの」に対して深い興味関心を持つようになっていったように思います。

いよいよ就職という岐路に立ち、日本で心理学と職とを結びつけることが難しい現実を知ります。改めて日本でも学びなおそうか、そんな悩みを抱える一方、もうひとつの柱として大学で専攻していたコンピューターサイエンスの知識をWEBデザインのスキルとして活かせる職場を知りました。時代の流れといいますか、まさかのIT業界への一歩です。ある種それまでの医学的な分野とは全くかけ離れた位置にある話ですよね(笑)

異分野を経て来たからこそ理解できた自分の原点

IT業界で働くうちに、やはり人間ならではの体温というのか直に感じる温かみというのか、そういった部分で少しずつズレを感じ始める自分がいました。小さい頃の記憶を辿れば父や母の仕事の手伝いが何より大好きな子供でしたから、患者さん相手にいろいろな医学的な話や相談事を日常的に聞く経験が自分のベースを作り上げていたことに気づかされます。

次第に『私のやりたいことの最終形は?』『やっぱり自分は“人の身体を診る”ことが大好きなんだ』という強い思いに駆られるようになりました。「どうしてこの人はこういう考え方に至ったのだろう?」「今こうなっているのはなぜか?」といったような、現象から見る人への思いや取り巻く背景に思いを巡らせることが好きという本来の性分もあって、その過程の延長線上に学生時代に没頭した心理学があったのではと…そしてまた自然と医療の世界が導いてくれたのかなと…今振り返ると感慨深い人生ですね。「人を診る」医療の世界に戻りたいと心の底から強く思い始めたとき、そこで改めて考え選んだものが針灸師だったという経緯です。針灸師は人の身体を診て心を診るものです。これほどまでに自分の想いと合点がいく職はないと一念発起し、ITの仕事の傍ら3年間、みっちり針灸の勉強を一から始め、資格を取得。歴史ある北里大学東洋医学総合研究所にも身を置き、本格的な勉強を重ねて現在に至ります。

もっと広く、正しく知ってほしい針灸の魅力

Q.先生の考える針灸の魅力とは何ですか?

同じ医療でも漢方や針灸の話はそもそもややこしいものです。そこにあえて魅力を感じますね。科学的な証拠(エビデンス)的には弱いとされている漢方や針灸です。漢方は薬なので、ある程度エビデンスは確立しやすい傾向はあるものの、針灸の世界はどうしても物理的療法のため、エビデンスを取ること自体がすでに難しい現実があります。例えば「針を刺す」という行為ひとつとっても毎回同じ様に刺しているという保障ができないのです。同じでないものの良し悪しを判断することは難しく、そのためしっかりとした効果を一般の皆さんにご理解をいただくまでのハードルが高くなっていることや、治療として選ぶ際のネックになっていることも十分わかります。

しかし近年、海外では特に補完代替医療としての針灸が注目を浴びています。欧米でも盛んに研究が行われており、エビデンスを確立するために研究も工夫が重ねられています。ここ最近では、オピオイド禍を背景として、疼痛管理のための患者教育を目的とした医療プログラムで針灸治療の利用が推奨されていますし、乳がん治療の副作用に針治療が有効であるという研究報告が「TIME」や「Nature」などの雑誌でも取り上げられています。スピードといった意味ではたしかに弱いかもしれませんが精度の高い研究結果も着実に積み重ねられてきています。今後がとても楽しみです。

欧米でも補完代替医療のひとつとして活躍

Q.針灸や漢方に対するイメージも昨今注目が集まってきている風潮がありますね。

若い方の針灸に対するイメージが変わってきていることは非常に嬉しいです。針灸というとどうしても古めかしい中国の歴史だったり、実際にも中国や韓国で盛んなイメージを強く持ちがちですよね。でも欧米でも補完代替医療のなかで広く受入れられているのです。実際にヨーロッパでは、補完代替医療の領域のなかで針の施術がもっとも多い領域を占めているという報告もあります。先日日本で開催された、「世界鍼灸学会連合会学術大会 東京/つくば2016」にも欧米を含め、世界各国から多数の先生方が参加されており、いろいろな意見交換をさせていただきました。私が英語に対応できるので、欧米の方が中心ではありますが、こちらのクリニックにも外国籍の患者さんがいらっしゃいます。東京駅という土地柄もあるのでしょうか、ユニークな患者さんが多いようにも思います。

院長堀田とは信念を共に―

Q.堀田先生とは同志として長い歴史があるとお聞きしました。

院長堀田とは北里大学東洋医学総合研究所で同期入所してからのタッグですね。院長堀田は漢方のレジデントとして、私は鍼灸のレジデントとして北里大学東洋医学総合研究所で学び始めた時期が同じというご縁です。気づけばもうすぐ10年にもなる付き合いですね(笑)ありがたいことに院長堀田が針灸に大変興味を持ってくださったこと、実際に針灸を受けていただいて「これは絶対必要なものだね」と深い理解をしてくださったことは私にとって非常に大きな出来事でした。

針灸の施術に対して懐疑的なドクターというのは実際多くいらして、それは否定できないことです。針灸はまだエビデンスが十分に揃っていないという点だけでもすでに懐疑的な存在である中、院長堀田のような理解ある先生は貴重な存在です。加えて一昔前までは医学部の授業において、針灸の科目は全くありませんでした。ドクターが全く知らないものを患者さんにおすすめすることは到底できませんから、そういった意味では否定的なポジションで物事をおっしゃる先生が多かったことも納得できます。もともと西洋医学と東洋医学は歴史的な理由で相容れ難い事情もあって、そういう意味でも院長堀田のように両者の良いところを上手に取り入れ治療されるこのクリニックの形態自体、実はものすごく勇気のいるチャレンジだったはずです。

西洋医学が得意とする分野はもちろんあって、西洋医学でなければ太刀打ちできない病があることは私も院長堀田も十分認めています。でもそれ以外の部分に関して東洋医学が得意とする部分においてお互いの強みを存分に生かした最良の治療を行いたいという、純粋にただ真っ直ぐそれを見つめた治療を行いたいという思いでの長年の同志です。

「治ること」―それが患者さんの最大の目的です。西洋だ東洋だと区別することなく、患者さんにとって一番良い方法での治療提案をすることが私たちの目指すべき場所だと信じています。目の前の課題は多いですが、誰のための何のためのクリニックなのかといつも心に問いかけ、ここに来てくださる患者さんのために提供できる最良のものがあるのならば、それを真摯に提供する治療者でありたいと願っています。

用いる針は直径0.12~0.20mm程度

Q.針灸というとやはり「痛い」「怖い」というイメージがありますが実際はいかがですか?

針灸のイメージはやっぱりそこが最大の関心事ですよね(笑)「針刺すんでしょ?」「痛いんでしょ?」と見た目のイメージが先行してしまい、どうしても最初のハードルが高くなることがわかります。当クリニックで使用する針は、直径0.12から0.20mmという細さです。加えて施術では痛みをできるだけ少なくする工夫を随所に心がけています。ですが、針を刺した時に、ズーンとした鈍い痛みや違和感、重い感覚などを感じることがあります。これは「針の響き」と呼ばれていて、いわゆる施術効果の現れのひとつでもあります。ほとんどの場合は、針の響きは時間と共に無くなります。ただ、症状によっては痛みに敏感な場合もありますし、他にも、タオルや治療着の重さで針先を引っ張られたり、毛穴に針先が入った場合、皮下の痛点や末梢神経などに針先が当たった場合などには鋭い痛み、電気の走るような感じをうけることがまれにあります。不快な痛みを感じた時は、遠慮なく伝えてくださいね。ほんの少し針先の位置を変えるだけで全く痛みを感じなくなることがほとんどですから。

印象としては、男性の方が女性より痛みが苦手な方が多いですね。でも、生後6か月の赤ちゃんから針治療は受けられることをご存知ですか?小学生の患者さんも普通に「ここも!」と言って怖がることなく手を出してくれます。効果が出るまでの反応時間といった点で比べると子供の方がやはりすごく早いものですね。若さとしか言いようがないのですが、施術をしていて体が素直なことを痛感させられます。

小児には撫でるような施術

Q.小児の針灸とはどんなものですか?

お子さんへの針灸は病気に対する抵抗力を作り、正常な発育を助けるものです。
・夜泣き
・疳の虫
・夜尿症(おねしょ)
・小児喘息
・アトピー性皮膚炎  などに効果があるとされています。
施術は生後6か月の赤ちゃんから受けられます。小児への施術は、刺さない針(接触針)を用いた軽い皮膚刺激と必要に応じて火傷を起こしにくい温灸を用います。また、成長に応じてごく浅く一番細い針を使用し、ご両親・お子さん本人と相談しながら治療を進めていきます。小学生にもなると体がしっかりしたお子さんが多くて、大人と同じように施術ができます。子供は順応性が高く、施術が痛くないことを知ると「ここも刺して」と楽しそうに施術を受けてくれます。赤ちゃんの場合はお母さんに抱かれながらの施術になります。赤ちゃんの場合は刺す針とは違い、刺さない針を用いて撫でるように皮膚に優しく触れて接するだけの手技での治療を行います。時間にすると5分程度なのですが、生後6か月~3歳くらいのお子さんはこれだけでも状態が変わります。

ひと口に「針」といってもたくさんの種類があります。針先が丸い形状になっている棒状のものや、薄く平たいコイン程度の厚みの銀杏形のものなど、刺さない針は「接触針」「小児針」と呼ばれています。それで撫でるように皮膚に刺激を与えます。刺すという刺激は小児の身体にとっては大きすぎるのです。またご年配の方や通常の刺激量に耐えられないほど体が弱っている方などにも接触針で対応します。患者さんの状況にも応じて多彩な針を使い分けています。

 根本的解決策を探るお手伝いを

Q.針灸の診療現場とはどのようなものですか?

こちらはオフィス街に囲まれているという場所柄もあり、若い方のご利用も多いです。特に30~40代の方がとても興味を持ってくださる印象がありますね。針灸の施術は、どんな症状に対してどんなアプローチをするのかによって変わります。また、血圧が常に変化しているように、身体は常に変化しているので、その日の体調のみならず、一瞬一瞬の状態を診て細やかな判断を重ねて行う針灸の施術は非常に繊細で流動的なものといえると思います。厳密には毎回100%同じ治療というものは存在しないと思っています。針を刺す深さや手技、時間、針の本数、お灸をするかしないかなどによっても刺激量は全く違います。小さな変化にどれだけ敏感に気がついて、変化する状況を正しく見極められるか、確かな目が問われるある種シビアな仕事ですね。小さな変化をひとつひとつ丁寧に拾い上げていく細かな作業の連続です。

身体と同じ様にツボも変化します。いつもツボは身体の同じところにあると思われていませんか?実は何かの不調がないかぎり、ツボはツボとして出てこないものなのです。これは本当に感覚の問題になるので、ツボの「ある」「なし」議論になると実際には難しいですが、ツボが出ている場所というのは、ほんのわずかに色が変化していたり、あるいはふっと撫でたときに温度がコンマ数度低かったり、肌の張りが少し緩くなったり逆に張りすぎていたりなど、施術者によって表現は異なりますが、何かしらの違いがみられます。複雑で判断が難しい場面もありますが、微細な変化を見逃さないこと、それがこの仕事の大前提ですね。

もちろん患者さんにもしっかりとお話をお伺いします。最初にお伺いする一番お辛い部分の改善を行うにあたっては、「どうしてここが痛むのか?」といった部分へのフォーカスを大切にしながらお話を伺うように心がけています。例えば「風邪を引いた」とおっしゃったときは、なぜ風邪を引くに至った背景があるのか、また風邪がどう患者さんにとって影響しているのかなどの他にも食欲や便通、睡眠といった部分についても広くお話をお伺いしながら、「だからここに影響が出てきてしまったのか」というように症状だけにフォーカスするのではなく、身体全体から見ていくものの見方を大切にしています。そして、周りの環境や気候のことも含めて複合的に身体全体を整えるように施術していきます。そういった意味ではいわゆるカウンセリングの部分を私はとても重要視してます。全ては、症状の根底にあるものから治したいという思いからです。つらい症状を一時的に取り払っても、また同じ状況になることはなにより患者さんにとって辛いことです。今ある症状を取ることはもちろん、その症状が繰り返されないような根本的解決策を探るお手伝いをさせていただきたいと思っています。

慢性的な症状に悩む方が多いからこそ

Q.全身治療がモットーとお伺いしています。そのこだわりと思いとはどのようなものですか?

突然痛めた急性期の症状であればその部分だけ施術するという選択肢はもちろんあると思います。けれども、針灸を最終的に選択される患者さんには、さまざまな場所を転々とされてようやくこちらに辿り着かれた方が多いという現実があります。例えば、整形外科から整骨院に移って、今はマッサージ店、整体に通っているなど、数か月から長い方では年単位にもなる長い段階を踏んでいらしたりします。実際、針灸は「針を刺す」というイメージが強すぎて治療の順位として一番最後にされがちです。他に行く先がなくなり渋々こちらに来てみたという患者さんも珍しくありません。そのため、症状が固定化・慢性化してしまっている方が圧倒的に多く、実際に身体全体のいろんな部位に影響が波及していることがほどんどです。また、メンタル面でも「このまま良くならないのでは」といった不安やマイナスな考えに陥ってしまっている方が多いのも特徴的です。長いこと患っていると、全体として体力も下がってしまっていますし、治癒力も低下してしまいます。だからこそ部分的な施術だけでは改善策にならないことが多いのです。また、急性期の症状であっても、その症状を引き起こした背景というものがあります。背景へのアプローチも含め、全身治療という体力、気力、そして根本的な治癒力を引き上げる施術が必要であるという考えから全身治療を基本にさせていただいております。 施術料は1回12,000円(税別)。初回のみ3,000円(税別)が施術料に加えてかかります。2回目以降は施術料のみとなります。

エイジングケアにも針灸を!

Q.最近では針灸はアンチエイジング効果も期待されていますが、いかがですか?

美容針灸に注目が集まっていますから気になりますよね。「エイジングケア」というと美容の要素が大きくクローズアップされがちですが、医学と美容は実は線引きが大変難しいものです。これは私の考えですが、美しさというのは結局、健康の上に乗っかってくるものだと思います。なので、エイジングケアにしろ美容にしろ、健康があって始めて成立するものだと思うのです。身体が健康であればさらにその上に美しさがプラスされるというステップがエイジングケアなのかなと思います。こちらでは全身治療で身体を整えていくので、健康になったおまけとしてエイジングケアが自然とついてくるという感じでしょうか(笑)
・代謝が変化した
・肌艶が良くなった
・太りにくくなった
・しなやかに体が使えるようになった
・体が軽くなった
・かさつきやむくみが減った  など、 針灸を続けることでプラス効果として意外にわかりやすく出てくるものです。

実は骨折の治癒促進や打撲にも針とお灸は効果を発揮します。よく全治数か月と診断されても、針とお灸を適宜加えることで治癒するまでの期間が短くなることも多いです。実際にプロのスポーツ選手アスリートの方々に専属するトレーナーさんたちも鍼灸の資格を持って活躍されている方は多く、スポーツ鍼灸としてひとつの分野が確立されてます。

正しい施術を知り、正しい治療効果を― 

Q.お灸の治療で気をつけていることはありますか? 

お灸には点灸・台座灸・円筒灸・知熱灸・塩灸・にんにく灸など数多くの種類があります。ここでは、主に点灸と円筒灸を用います。点灸は皮膚を焼灼して熱を加える施術法です。そのため軽い火傷の痕が残ります。ですが、灸の大きさを米粒くらいの米粒大から糸のような細さの糸状大に調整し用いるため、火傷の痕はほんのわずかですし、その火傷痕も時間とともにほとんど消失してしまいます。施術時は火傷には細心の注意をはらいますが、不安のある方はぜひご相談ください。皮膚の状態などによっては火傷しやすい方もいらっしゃいます。施術中はそばについて、状態を確認しながら行いますので、初めての方でも安心して受けられます。

お灸はご自宅でやっていただくようにお願いすることがあります。その場合はきちんと説明させていただきます。時々、「我慢すればより利くんじゃないか」と熱くても我慢なさる方もいらっしゃいますが、それでは火傷になってしまいますので注意が必要です。無理に熱さは我慢せず、また、正しいお灸の仕方を守っていただきたいですね。

 可能性あふれる針灸の力

Q.針灸の施術は精神症状や目や鼻、アレルギーのほか婦人科系などの症状にも幅広く効くというのは本当ですか? 

「針灸は何に効きますか?」と質問されるほうが回答に困ります。
・血液循環
・リンパ液循環の改善
・免疫活性
・疼痛抑制
・自律神経調節
その他、ホルモン分泌にも影響を与えていると言われています。具体的に言うと、筋肉痛の緩和、痛みを和らげる、冷えを改善する、その他、眠れない、お通じのトラブル、食欲の低下、疲労回復など多くの症状に効果を示しています。

また、精神的な症状に関しては、比較的針灸は得意な分野と言えます。不安の緩和や自律神経症状を整えることを強みとする施術です。いろいろな症状に対して多くの可能性を持つ針灸を選択肢のひとつとして是非検討していただけたら嬉しいなと思っております。 

必要なときに寄り添い並走する治療者として

Q.やりがいや充実感を感じる瞬間はどのような場面ですか?

やはり患者さんの症状が変化したことを感じられる瞬間は何よりです。患者さんの笑顔はとても温かく幸せで特別なものです。それを共有できたときの感動はやはり何にも代えがたく嬉しいものです。私には、治療に携わる人間は最終的には忘れられるべき存在だという考えがあります。私たちは辛い時期にこそ並走する存在と言いますか、一緒に横を走りながら必要なときに手助けをする。でも、並走が不要になったらすっと忘れられるべき存在と言いますか、忘れられる瞬間には、その方が健康であっていて欲しいと強く願いますし、必要なときにはまたすぐに寄り添える治療者でありたいと考えます。元気になられたときには頭の片隅にもまったく残らない程度のある種、空気のような自然な存在でありたい―針灸師としてのキャリアは10年弱でまだまだ若輩者ですけど、幼い頃から両親のもとで聞きかじってきた門前の小僧みたいな漢方・針灸の知識が今になって少しづつ実を結び始めているように感じます。また、両親は仕事柄、食養について非常に詳しく、食べ物と身体の関係については食卓で事欠かない話題でした。今、針灸師として仕事をしていると身につまされて感じることであり、いままでの生活の中にあった当たり前の知識が今の私を作り上げ、下支えしてくれていることを感謝しています。

さらに価値の高い治療実現を目指して

Q.これからの夢やビジョン、目標にしたいことは何ですか?

東洋医学とか西洋医学とかに分け隔てて考えるのではなく、多くの選択肢が提供できる前向きなクリニックになるといいなと思っています。治療の選択肢が増えるということは患者さんのメリットに直接繋がるものです。スタッフそれぞれの専門性を高く持ちながら、互いが勉強し、共有し、高めあって熱を帯びた治療を目指したいと思います。ありがたいことに私自身、院長堀田から西洋医学のこと、漢方薬のことを日々学ばせていただいていますし、逆に私からは針灸のことを随時説明させていただいています。東洋医学が共通言語のような存在にあって、得意な部分を繋ぎ合わせて力を終結する―その思いを常に忘れずより良い治療に努めたいですね

漢方と針灸の価値をこれからも伝え続けて―

日本での一般的な針は柔らかく、驚くほど細いものです。この細い針を上手く使いこなしてきた長い歴史があります。また、他国と比較しても灸をしっかりと使いこなしているところはありません。そんな歴史の下に、世界で一番細い針を作れるメーカー、最高品質の艾(もぐさ)を作るメーカーは今、日本にしかありません。伝統と信頼ある針灸をぜひ安心して試していただきたいですね。また、私の中で漢方薬と針灸の施術は切っても切ることのできないものです。漢方と針灸は両者合わせて、初めて東洋医学なのです。院長堀田をはじめ、スタッフと共に漢方と針灸の素晴らしさをこれからも一人でも多くの方に知っていただきたいと願っています。

針灸師紹介

小濱 志帆

略歴

2009年3月 新宿鍼灸柔整専門学校卒業(現 新宿鍼灸柔整歯科衛生専門学校
2009年4月 北里大学東洋医学総合研究所 鍼灸レジデント(~2011年3月)
2011年4月 北里大学東洋医学総合研究所 常勤鍼灸師(~2017年6月)
2017年7月 八重洲地下街クリニック

所属学会・資格

国家資格:はり師 きゆう師(2009年資格取得)
一般社団法人 日本東洋医学会公益社団法人 全日本鍼灸学会 学会所属

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