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ご挨拶

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 江戸時代の八重洲は、漢方の名医たちの診療所や自宅が数多くありました。歴史あるこの地で、東洋医学の伝統を受け継ぐ喜びを感じます。先輩と異なるのは、患者さんの治療に現代医学を提供できることです。
 江戸時代の名医にこんな言葉があります。

「医は意なり。意は学より生ず。方に古今なく、要は治を期す。」

(まず患者さんの治療を第一とし、その手段には新薬も用いる。一方、歴史ある薬の有効性が高ければ、そちらを用いる。その決定のためには、日々の学びが必要。)

 この時代の医療にも通じることばです。
 どんな症状、病気でも診られる全人的医療を、また的確な病状説明を研修医時代から心がけてきました。権威ある研究所で東洋医学を修めた誇りを胸に、サイエンスとオーガニック、両者を誠実に学び続け、患者さんに還元することを約束します。
 八重洲地下街クリニックは、スタッフ一同、あなたのご来院を笑顔でお待ちいたします。

院長 堀田 広満

院長インタビュー

2018.02.28 ライター神出優子

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「八重洲」という特異な地域にこだわった医療貢献を―

Q.こちらの「八重洲地下街クリニック」で行う診療内容の特徴について詳しく教えてください。

 「八重洲地下街クリニック」は立地や地域の特性上、
●忙しくてなかなか医療機関を受診できない方
●他の医療機関に過去受診したけれども解決できない問題を抱えていらっしゃる方
といった患者さんに特にフォーカスした医療貢献ができればと考えています。

 例えば、

●忙しくてなかなか医療機関を受診できない方

 現在、自覚症状や急な病状は伴わないものの放置できない状態の病をお持ちの方 特に糖尿病・高血圧・高脂血症・肥満などの生活習慣病は、自覚症状が伴わないゆっくりとした進行をする病です。と同時に、つい軽く捉えがちになることで、放置すれば心筋梗塞・脳梗塞・透析が必要となる腎不全などの合併症を引き起こす可能性があるほどの高リスクの怖い病です。そういう患者さんにこそ通院しやすく、院内にて短時間の診察・検査等の対応ができる体制作りを整える工夫を行っております。 また当院はJR東京駅八重洲口から徒歩1分という距離にあり、通勤に便利なクリニックです。忙しいビジネスマンやOLさんたちにも気軽に通院していただける間口の広いクリニックであるよう、オフィスの昼休みの時間帯を利用した診療時間帯を意識しております。また、再診の場合は19:30まで受け付けておりますので仕事帰りの診療も可能です。また東京駅や大手町駅からの地下街を利用すれば、雨などの天候にも左右されず快適に通院できるクリニックです。地方からのアクセスも良く、日帰り受診も可能です。

●過去に他の医療機関を受診したけれども解決できない問題を抱えていらっしゃる方

 更年期障害・不妊治療・肩こり・耳鳴り・めまい・冷え性・不眠・むくみ・しびれ・痛み等に長年お悩みの方はぜひ一度私たちのクリニックを訪れてみてください。 通常の保険内で治療できる範囲はもちろんのこと、自由診療(保険外診療)での上記にあげたような保険が適応にならないようなより複雑な病態のほか、東洋医学でいう未病に対しても、こちらでは得意分野としています。日本の東洋医学のメッカとして名高い北里大学にて治療を実践してきた経験を持つ信頼のスタッフが診療・治療を行います。受診する科にお迷いの方、受診してみたけれども満足のいく結果が得られなかった方こそぜひ一度ご相談ください。

 ここ八重洲という巨大なオフィス街は、昼間は半径1キロ圏内で40万人近くの方が勤務されています。一方、夜になるとたった1万人未満の街になります。多くは神奈川・千葉・茨木・埼玉をはじめとする東京近郊からこちらに毎日通勤されて来られる方々です。そういう皆さまがご自身の病院に通うためには貴重な休日を利用してご自宅近くの病院を受診されていることと思います。日々夜遅くまで働かれて疲弊されているビジネスマンやOLの皆さまのご事情に思いを馳せると、おそらく休日は病院なんて行かずにゆっくり過ごされたいとお考えのことでしょう。しかしその結果、本当に受診が必要な方もつい見送りがちになってしまうのではないかという心配が胸をよぎります。

 そんな「八重洲」という特殊な地域でこそ医療貢献が必要なのではないかと考えたことが、こちらでクリニックを開業する理由のひとつの大きな柱となりました。 参考までに国が試算している数値をもとに具体的に計算してみましょう。クリニックから八重洲側に半円にして500m圏内における35~65歳の男女を例に挙げると、高血圧の患者数は約2万2千人、糖尿病患者は約1万人いるという計算になります。その方々が普段の受診をできずに困っている患者さんだと考えるとそれは凄まじい数です。また、見方を変えると、生活習慣病などの慢性疾患は対応が不十分であるほど脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な合併症などを引き起こし、将来的な生産性は著しく低下します。会社としての経営効率にも影響する…そう考えていくと、生活習慣病への治療や予防というものは個人の健康投資のみならず、社会への先行投資にもなるものです。ぜひともご自身の身体のためと取り巻く環境の将来的な展望も忘れずに、適切な受診をしていただくことを強く望みます。 もちろん、風邪や花粉症などの一般的な疾患でお困りの方もぜひお気軽にお越しください。

西洋医学と東洋医学を融合した柔軟性の高い診療を目指して―

「八重洲地下街クリニック」では保険診療内での西洋医学的な治療を軸としながらも、必要に応じて東洋医学の知識と経験を併せ用いながら効果的な診療を行っています。

 例えば肩こり・首こり・腰痛などの痛み、冷え性・更年期障害・月経不順・倦怠感・むくみ・食欲不振・風邪をひきやすい・気分の落ち込み・便秘・下痢・不眠などは東洋医学が特に得意としている分野です。 学問的な言葉で言えば「自律神経系」「免疫系」「内分泌ホルモン系」という三者が複雑に絡み合っている状態です。一般的な西洋医学はそれらを個々に切り離して考える傾向がありますが、東洋医学は全てまとめて俯瞰で診る医学ですカー力が高く、患者さんの身体全体のことを真に捉えながら治療を行うことをモットーとしています。

 一般的なクリニックでは珍しい針灸も取り扱っています。針灸の施術は生後6か月以上であれば誰でもご利用いただけるものです。他のクリニックとこちらの針灸の違いは、症状がある場所だけでなく全身の治療を行える点です。治す力を高める治療を基本方針としているので全身治療で約1時間程度のお時間をいただき、静かでリラックスできる空間で施術を行えます。初心者の方も大丈夫。東洋医学に関しては小児にも精通しております。

患者さん主体の「心」と「身体」をトータルに診る医療を実現したい―

Q.堀田先生が東洋医学の知識を併せた考え方で診療を行うようになった経緯はなんですか?

 医者として実際に患者さんに触れるようになった実体験からです。もともと私は内科系の白血病やガンを専門とする特殊な治療の現場にいました。骨髄治療や、抗がん剤治療など西洋医学の中でも特に激しいとされる治療を主体とする日々の中で、実際には太刀打ちできない範囲があることも知りました。例えば、抗がん剤の副作用などは非常に激しく、対応しきれない患者さんの問題が起きたときに大建中湯(ダイケンチュウトウ)という漢方薬を用いて腸閉塞を治した実例があります。また、放射線を全身照射する治療は赤血球や白血球などの体内サイクルが上手く稼働しなくなるケースがあります。その場合もやはり西洋医学だけでは対応が難しく、東洋医学の十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)という薬を用いることで回復が速くなったという事例も実際に経験しました。最も過酷な治療の現場で東洋医学の可能性を知った実体験が一番の大きな転機となりましたね。

 それから、私が医師として5年目くらいのときに「ヒトゲノム計画」という時代の節目が訪れたことも考え方が大きく変わったきっかけです。「ヒトゲノム計画」とはDNAを全部読み取ることで、将来の病気はほぼ上手く解明され、治療法も開発されていくでしょうといった期待に世界が湧いたものです。ただ、現実の自分の治療現場における感覚としては、たとえDNAが全て解明されようとも全ての病がそんなに簡単に治癒するはずがないという違和感がありました。またちょうどその時期、時代に逆行するかのようにアメリカのNIH(米国国立衛生研究所)で東洋医学を含めた伝統医学に巨額の資金を投入して本格的な研究が開始されたというニュースを知りました。自分が時代の節目に立っている感覚を強く実感しましたし、学問的に伝統医学というものに世界が再注目し始めました。この頃から東洋医学学会に身を投じ、あらためて再度勉強する価値があるものだと確信しました。これが現在の私の診療スタイルに至る最初の一歩ですね。

Q.西洋医学が主流の現代の診療現場で先生が率直に感じていることはなんですか?

 その昔、哲学者デカルトが目に見えるものしか信じないという「要素還元論」を提唱しました。その延長線上に今の西洋医学があります。目に見えるもの、つまり菌やガンや画像診断、顕微鏡で見えるものから遺伝子まで誰もが目で見て納得しやすいものが強いと考えるのが西洋医学です。一方、医療の現場には“目に見えないもの”があることもまた、まぎれもない真実です。例えば精神的な世界観―例えば精神的な訴えは必ずしも西洋医学的な尺度ではとらえきれないのが実情です。東洋医学で言えば「気」の世界です。それを西洋医学では無視しがちな傾向があります。痛みやしびれなどはいまだに西洋医学では定量化することができません。実際の診療現場でも主観に頼らざるを得ない状況です。WHO(世界保健機関)でも「客観的な分析ができないもの」と明言されており、線維筋痛症などは西洋医学が苦手とする分野の代表的な病です。

 一方の東洋医学は、見えないものも扱うところが大きな特徴です。患者さんが「冷える」と言えばどんなに体温が高くても“冷える”と捉えますし、患者さんを主体に大切にするという基本の哲学が違います。叩くや削るといった「エネルギーが有り余ったものや余分なものを取り除く」といった、プラスからマイナスに持って行くという切り刻む治療を西洋医学は得意としますが、逆にマイナスのものをプラスに引き上げるという発想を不得手とします。東洋医学で言うと「補う」という考え方ですが、例えば「冷える」という方に熱を加えて温めてあげること、体力がなくてだるい状態からエネルギーを補い下から支えるイメージの治療は西洋医学では弱い部分だと思います。それを東洋医学では補完できます。いわば西洋医学は引き算の考え方で、東洋医学は足し算と引き算両方できると言えましょう。 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)といった痩せる効果がある薬などは西洋医学的なもので、西洋医学の引き算に似た考えをベースにした漢方薬もあります。お相撲さんのような体形の人に使用する治療もすれば、逆に痩せている方に対して「補う」「温める」といった治療など両方のアプローチもあります。東洋医学は柔軟性が高い治療です。時代の流れと共に治療法も日々変わり、発展しています。患者さん一人ひとりに適した処方を最新の医学の知識に基づいて提案いたします。

東洋医学の真価と未来を見据えて―

Q.東洋医学に力を入れたお医者さんはまだ実際には少ないのですか?

 非常に少ないと思いますね。日本東洋医学会でも専門医を取得している医師は全国でも2000人程度しかいません。存在意義はあると確信しています。東洋医学はまだまだ開発されるべき、希望溢れる医療分野だと思います。昨今のアメリカ・ドイツ・フランス・スイスなどでは伝統医学の価値に再評価が高まっています。アメリカNIHで伝統医学を研究する「国立補完代替医療センター」には毎年20億円程度の投資をして研究が進められている現実があります。日本にも必ずやその世界の潮流が来ます。もちろん東洋医学だけではうまくいかない領域があることも確かであり、西洋医学でもまたそれは同じ。お互いの良い点を補完し合うような、両者からの視点が必要な医療の新時代を迎えているのではないかと私は考えています。

Q.東洋医学は西洋医学に比べるとどうしても馴染みが薄いものと思います。 どういう方にチャレンジしてもらいたいと考えますか?

 まず先に東洋医学が弱いとされている分野を説明します。 感染症・がん・救急医療など、抗生剤・抗がん剤・手術を要する疾患には西洋医学のほうが非常に長けています。つまり「単純系」と言って標的がひとつしかない状態や、シンプルに敵がわかっている病気に対して高い効果を発揮します。 一方で、西洋医学が苦手とする疾患の一例に更年期障害があります。更年期障害はホルモンが乱れることにより自律神経系が影響を受けて不眠やイライラしたり、免疫力が落ちることで風邪をひきやすくなったり、アレルギーを引き起こすなど、ひとつのホルモンが崩れることで複雑に絡み合う症状が出現します。慢性的な疾患ほど原因がひとつではないものが圧倒的に多いのが現実です。それを治すときに必要となる哲学が「複雑系」と呼ばれる考え方です。いくつかの要素が絡む病態には、組み合わせやユニットとしてパターンを考えて治療を行う必要があります。そういう病をお持ちの方にこそぜひ東洋医学を知っていただきたいのです。治したい症状に対してアタックするやり方は意外とシンプルなのだけども、それは経験値や伝統がなせる技です。さながら囲碁や将棋の世界の考え方と同じですね。

 西洋医学ではなかなか効果を感じられにくい方には東洋医学のほうが肌に合うケースが少なくありません。 漢方薬などは長く時間がかかるイメージをお持ちの方も少なくないと思います。ですが、風邪に効く葛根湯や、こむらがえりに効く芍薬甘草湯など、急激に起きた症状に対して飲んで30分~1時間程度で即効性高く効く漢方薬も多々あります。慢性的な症状に対しては、やはり3か月をひとつのめどにして、ある程度腰を据えて治療する必要があるものです。人間の免疫の半数は腸内の免疫と言われています。最近の研究では、漢方薬がこの腸内の細菌を間接的に変化させているのではないかという議論が出てきています。ある程度時間がかかる変化には意味があります。一度良い変化を与えると、症状がぶり返さなくなるケースも比較的多いです。長い目で見るとわかりやすい即効性はないにしても、根本的な治療を実現しています。体質改善といった簡単には変わらないものを変えるためにはそれだけの時間がかかります。決して長く一生かかるものではありませんので、ぜひ気軽に挑戦していただければと思います。

 昨今では、お洒落なサプリ感覚で漢方薬や生薬を扱っている薬局で選ばれる方も増えています。ただし、精緻な検査なしでやみくもに漢方を試すよりも、ぜひ専門医による正しい知識と裏付けで処方された漢方薬を一度お試しになられることをおすすめします。元気がない弱った状態から早く脱出すること―それを「支えるもの」として私は漢方や針灸を含む東洋医学を大事なもうひとつの軸として考えています。

「医者は実際に症状や病を癒さない限り、何の役にも立たない存在だ」の言葉を胸に 強い信念と覚悟を持って日々の診療に取り組みたい―

Q.先生が医師としてのやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

 他の医療機関を受診しても良い結果に辿り着けなかったような患者さんに、今まで自分が勉強してきた医学の知識をフル動員し、「数日で快方に向かった」ですとか「薬を飲まなくていいほど体調が良くなった」というようなあきらかな良い変化をご自身で感じていただくときや、感謝の言葉をいただくときなどは、医師という仕事の価値ややりがいを一番強く感じるものです。 また、丁寧なご説明を差し上げることで、患者さんの病に対する知識の底上げ的なお手伝いもできたと実感できるときにも嬉しく感じますね。何が原因で症状が起きているのかを知る客観的視点は治療には必須です。食生活や生活習慣を少し変えるアドバイスをするだけでも症状が格段に良くなることは診療の現場には日常的にみられます。

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Q.堀田先生がそもそもお医者さんを目指されたきっかけは何でしたか?

 大きな理由がふたつあります。 ひとつは自分自身の切実な体験からです。実は私は、小学校入学直前に突然風疹をわずらいました。さらには死に至る可能性がある深刻な脳炎を発症しました(風疹性脳炎)。当時の主治医の先生からは後遺症を残す可能性が極めて高いと診断され、奇跡的に生きたとしても植物状態になる可能性が非常に高いと言われるほどの深刻な状況だったそうです。奇跡的に無事に生還し、自分が高校二年生のときにその状況を詳しく知り、大変驚きました。思春期と重なり、命や医学について考えるようになった大きなきっかけでしたね。「自分は生かされているんだ」と痛感した記憶は今でも鮮明です。同じような状況下の方に自分の経験を通じて感じたことや、何か具体的な貢献ができるもの…「そうだ!医者になろう!」という強い思いに自然と突き動かされるようになりました。まさに人生のターニングポイントでしたね。

 幼少期は喘息や肺炎など一通りの経験を経て、かなり病弱な少年でした。凄腕の先生との出会いも奇跡でしたが、当時の担当医だった先生と医者になった後、お会いする機会があったのですが、当時のことを先生もはっきり覚えてくださっていたほど余程の状況だったようです。 もうひとつ、私には忘れてはならない動機があります。病弱だった小学1年生の頃、同じクラスにいた自分と同じように大きな病を抱えた友人がいました。彼は筋肉に持病があるせいで、自分の歩幅や遊ぶ範囲や内容が非常に狭く限られていて、周りで快活に外を走り回って遊ぶ子供たちを横目に私たちは教室内で一緒に遊ぶようになり、深い友人関係を築きました。その後も彼とはずっと親交を深めました。小学四年生の頃、私は引っ越しをします。距離は離れてもお互い長い休みには会って遊ぶように、仲の良さは相変わらずでした。その頃私はすっかり健康体で、小児喘息も抜け出し普通の子供らしい元気な生活を送れる状態にまで回復しました。一方の彼は、小学校卒業する頃にはもはや学校に通えなくなるほどの筋力の低下でした。ときどき会って遊ぶ中にも、みるみる弱くなってゆく彼の姿を幼心に感じました。 本気になって医学部を目指し勉強する日々の中、10月末―彼が亡くなりました。医師を目指すと自分の想いを彼に話したときにも「お前なら大丈夫」「きっと医者になれる」と何度も励ましてくれた、温かく力強い言葉の数々は私にとって忘れられない約束となりました。

 彼が亡くなった後、同じような境遇にある人や日常的に病を抱え苦しむ人たちを救いたいという熱意はますます高まり、医師の合格を果たす日が来てからもホスピスの現場を積極的に訪れたり、さまざまな病院の実習を経験しひたすら学ぶ日々を送りました。私は内科系に進路を見出しました。彼とのかかわりが今の私の仕事に大きな影響を与えていることはまぎれもない事実であり、彼とは人としての深い絆を今でも強く感じています。

 とはいえ、精神論だけでは医療は成立しないことを同時に知った経験も持ちます。自分の父親が大腸がんになりました。すでにあちこちに転移している状態での発見でしたが、幸いにも主治医の先生がとても腕の立つ方でした。その先生に「医者になるきっかけは何であろうと、実際に症状や病を癒さない限り、医者は何の役にも立たない存在だ」という言葉をいただきました。強い言葉が胸に深く刺さりました。けれどもいつまでも真摯に医学を学問として学ぶ姿勢を身近な存在を通して知ることになり、「鬼手仏心」という言葉さながらに、先生の背中から学んだことはとても大きかったと今あらためて感じます。精神論だけでなく、医師は学問的な勉強に真っ直ぐ対峙し続けなければならないことをあらためて考えさせられます。冷静な判断は不可欠ですし、医師としての膨大な知識とそのアップデートは日々必要です。全身をくまなく診られる医師になりたいという思いは、医学生時代からブレずにあります。そういった意味でも東洋医学の視点と、西洋医学の現場での活きた経験が合わさり自分の中で良い融合を生み出しているのではないかと思います。

新しい医療の風を感じながら 東洋医学の文化が色濃く残る「八重洲」で始める医学リバイバル

Q.「八重洲地下街クリニック」がこれから目指す先は何ですか?

 ハーブやアロマを含めた伝統医学に今、新しい風が吹いていると感じます。目に見えるものしか信じない「要素還元論」は車で例えて言うなら片方の車輪です。もう片輪は遠くから俯瞰してみる、全身をトータルに診ることに長けた伝統医学や経験値など、人類が残してきた英知です。漢方や針灸といった日本独自の伝統医学の必要性というのは、これからもっと脚光を浴びるものだと確信しています。

それをなぜ今この八重洲から始めたいのか?―

 その昔、海運で全国各地から日本橋に物資が集まりました。江戸から明治にかけての時代のこちら八重洲・日本橋界隈は漢方の一大中心地でもありました。特に品質が落ちやすい生薬は日本橋・八重洲ですぐに下ろされ取引されたようです。こちら「八重洲地下街クリニック」のすぐそばにも江戸時代の漢方医の最高峰と名高い尾台榕堂(おだいようどう)・浅田宗伯(あさだそうはく)といった名医たちが開業在住していた足跡があります。歴史深い畏れ多い土地ではありますが、そんな名医たちの扱った伝統医学をこの地で今こそリバイバルしたいと願います。これからの時代、必ずや必要とされる医学を復興させたいという気概を持ち、挑戦する日々です

 昭和時代に入り、保険でも取り扱える粉の漢方エキス剤がある程度復活を遂げ、一般にも浸透してきたように思います。その漢方エキス剤の選別にかかわった医師が八重洲で診療を行っていた時期もありました。八重洲という場所はそういう生薬の香りが色濃く詰まった特異な土地です。歴史あるこの八重洲で、後塵を拝しながら良いインパクトを与える診療を行っていきたいと考えます。 東洋医学だけでなく、今まで私が得てきた西洋医学の知識ももちろん組み合わせながら、それぞれの長所を駆使して病に悩まれる患者さんに一人でも多く貢献したいと願っています。 医学的な硬い言葉で漢方、針灸など東洋医学を語ると抵抗感を感じられる方も多いですが、実は今では私たちの生活の中になじみ深く入り込んでいる側面を持つものです。敷居高く感じず、ぜひお気軽に私たちにご相談いただければと思います。

院長紹介

略歴

1995年:新潟大学医学部卒業。同年、新潟大学小児科学教室に入局。白血病など悪性腫瘍の治療、移植医療などに携わる。

2009年:北里大学東洋医学総合研究所に入所(~2017年)。同医局長(2015年から2年間)。

2012年:糖尿病・高血圧症・脂質異常症・痛風などの内科診療・治験を担当する(~2017年)。

2017年:八重洲地下街クリニック 院長

所属学会・資格

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